データのバックアップを取ろうと考えた時、関連技術としてよく聞くものがRAIDです。
RAIDは複数のストレージ(ハードディスクやSSD)を利用するため、ついついデータのバックアップと思ってしまいます。
しかし、実際はディスクを複数利用し、データの消失のリスクを下げる仕組みであり、データのバックアップとして利用できません。
本記事では、RAIDがデータバックアップとならない理由と、どうしたらデータバックアップが取得できるか説明します。
データのバックアップ環境を構築予定の方で、RAID利用を考えている方の参考となりますと幸いです。
RAIDの種類
はじめにRAIDについて説明します。
RAIDは複数のストレージを利用し、データを保管する技術です。
データの書き込みを高速化したり、データを消失を減らす構成を作ったりする技術です。
RAIDには様々な種類があり、よく耳にするものが、RID0、RAID1、RAID5です。
どのRIDでも、複数のストレージを利用します。
(※各RAIDの詳細については、「Windows11でRAIDを構成する(RAIDの簡単な説明付き)」をご参照ください。)
本記事では、各RAIDについて簡単に特徴を記載します。
- RAID0:2台以上のストレージを1つのストレージとして扱い、データの書き込み速度を高速化させます。
- RAID1:2台のストレージに同じデータを書き込む事で2台の内1台のストレージが故障した際に、残った1台のストレージからデータが救出できる技術です。
- RAID5:3台以上のストレージを利用し、データを複数のストレージに分割して保存する技術です。
RAIDがデータのバックアップにならない理由
RAIDがバックアップにならない理由として、RAID構築したストレージへデータを保存する時、保存データは、複数のストレージに同時保存されます。
そのため、RAIDに保存されているデータを直接編集し、保存操作をした時、変更内容はそのままRAIDを組んでいるストレージ全てに同じデータが保存されます。
結果、RAIDに保存しているデータには編集後のものが残り、編集前のデータは残らず、編集前のデータを復元することはできません。
例として、RAID1の場合、データ保存の動きを図に記載します。
RAIDでは、データのバックアップを取る事はできません。
そのため、データのバックアップを取りたい場合、他の方法とします。
データバックアップを取る方法
データバックアップの取得方法としてお勧めの方法は、複数のストレージに同じデータを保存する事です。
デメリットとして、複数ストレージへデータを保存する時、手動で各ストレージへデータを保存する必要があり手間が発生することです。
メリットは、データの保存先ストレージを分けた事で、1つのストレージが故障した場合、他のストレージが故障していなければ、故障していないストレージからデータ取り出しができるため、データは失われません。
また、耐障害性を向上のため、保存先のストレージでRAIDを構築するこがおすすめです。故障した時にストレージの交換対応が可能です。
まとめ
データバックアップを考えた時、RAIDを組むことでバックアップが取れていると考える事があります。
しかし、データのバックアップではなく、ストレージの故障への耐久性を向上させる仕組みです。バックアップ目的ではない事に注意が必要です。
データのバックアップを考える場合は、物理的に保存先を分割する必要があります。
RAIDは、データを分割保存した時の保存ストレージで利用することで、データの耐障害性を高める事ができるため、おすすめです。
本記事が、データのバックアップをどの様に管理したいか考えている方の参考となりますと幸いです。
以上です。