360mm簡易水冷の中で気になっていた、Liquid Freezer III 360を購入しました。
冷却性能が良く、Ryzen9 9950Xで試したところ、十分な冷却を確認しました。
水冷ヘッダーの取り付けでは、少しコツが必用であり、気を付ける点があります。
本記事では、冷却性能に対しRyzen9 9900XとRyzen9 9950Xで、ベンチマークを動かした時のCPU温度変化をまとめました。また、Liquid Freezer III 360の取り付け様子を紹介します。
自分のPC環境へLiquid Freezer III 360を導入しようと考える方で、設置イメージや本当にCPUの冷却ができるのか確認したい方に対し、本記事が参考となれば幸いです。
Liquid Freezer III 360の外観
360mmラジエーターは厚みがあり、35mm程度となっています。
ラジエーターにファンを取り付けるファンケーブルは、チューブ内から伸びており、1本でファン3つ接続できます。

Liquid Freezer III 360にもともと取り付けられているファンのケーブルは特徴的で短く、ケーブルが絡まらない様な工夫があります。

実際にファンを取り付けた時、ファンケーブル3つ取り付けている割に綺麗に納まります。
水冷ヘッダー部分はカバーと水冷ヘッダーに分かれており、マグネットによる取り付け式です。
現物を見るまでカバー部分がコンパクトなファンだと思っていましたが、こういったデザインで、ファンではありません。

組み立て
水冷ヘッダー取り付け
水冷ヘッダーが特徴的な形をしています。
一般的な水冷ヘッダーはねじを4本止めるのに対し、Liquid Freezer III 360は、2本止めです。

このネジは固く作られています。そのため、ねじ止めに力が必用で、取り付けは閉めにくいです。
そのため、ドライバは細めより太めで力を籠めやすい物の利用をお勧めします。
水冷ヘッダーを取り付け終えた状態では、CPUの上部のプレート部分が覆われず、プレートが見える状態です。
水冷ラジエーターのケーブル接続
水冷ヘッダーへ接続するケーブルがあります。
付属のケーブルを取り付け、3つのケーブルをファン端子に取り付けます。

付属のケーブルは、3つのファン端子と2つのファン端子があります。
純正以外のファン取り付け
今回利用するファンは、Noctuaの120mmのファンを3枚です。
取り付けた後、ケーブルが散らからない様、ファンの周辺にケーブルを巻き付け、ラジエーターに取り付けます。

取り付けの際は、まとめて3枚のファンを取り付けるのではなく、ファン1枚ずつを順番に固定する状態です。
ラジエーターをケースに取り付ける
付属のねじを使い、ラジエーターを取り付けます。
付属のねじは、12本ありラジエーターのねじ穴すべてに取り付ける事ができます。

冷却性能
Liquid Freezer III 360の冷却性能をRyzen9 9900XとRyzen9 9950Xの2つで計測しました。
高負荷時に90度を超えなければ、問題ないと考え、ベンチマークを動作させています。
ベンチマ―クの対象は、以下のベンチマークです。
- CINEBENCh R23(シングル、マルチ)
- モンスターハンターワイルズ(レイトレーシング無、4K、フルHD)
- FF14 黄金のレガシー(フルHD)
- FF15(4K、フルHD)
CPU以外の環境は以下となっています。
- メモリ:64GB
- GPU:RX7900XTX 24GB
- PCケース:H7 Flow(2022)
それぞれの温度変化をグラフにまとめています。
ベンチマークのどれをとっても、Ryzen9 9950XとRyzen9 9900Xでは、Ryzen9 9950Xの方が発熱します。そのため、Ryzen9 9950Xの温度推移が十分な冷却できていれば、Liquid Freezer III 360は簡易水冷としての役割を十分に果たしていると言えます。
Cinebench R23
シングルとマルチそれぞれの温度推移をまとめました。

シングルでは、温度推移が約20度以上のお差がみられる場所があります。
スコアは、Ryzen9 9900Xが2213で、Ryzen9 9950Xは、2253となっています。
どちらも十分に冷却できていますが、温度差とスコアを見ると、Ryzen9 9900Xが扱いやすく感じます。

マルチでは、12度、13度程度の温度差が見られ、Ryzen9 9950Xの発熱の方が高いです。
Ryzen9 9950Xのスコアが42542で、Ryzen9 9900Xが32903となっています。
マルチの結果は大きく異なっており、Ryzen9 9950XがRyzen9 9900Xの上位モデルである事がしっかりと見えます。
温度推移で、Ryzen9 9950Xも90度以内の推移で、Liquid Freezer III 360によって十分な冷却が行えている状態です。
モンスターハンターワイルズ
4KとFull HDそれぞれ実行中のベンチマーク中の温度の計測を行いました。


80度台で推移する事もありますが、90度を超える事なく、冷却できています。
Ryzen9 9950Xの方が高温ですが、85度を超えず、Liquid Freezer III 360が冷却しており、十分な冷却ができていると言えます。
FF14 黄金のレガシー
Full HDの温度を計測しました。

最高温度がRyzen9 9950Xの70度となっており、発熱量が小さく冷却に対して不安を感じる点はありません。
Liquid Freezer III 360によって十分な冷却ができています。
FF15
4KとFull HDで温度計測を行っています。


75度以内の推移で、Liquid Freezer III 360によって問題なく冷却できています。
温度計測の結果と直接関係はありませんが、気になる点として、計測温度が、Full HDの方が4Kよりも高くなっています。
おそらく、温度計測時、連続して4K→Full HDと計測した事により、冷却温度が落ち着かない状態の計測となり、Full HDの温度が高くなったと考えています。
Liquid Freezer III 360の冷却性能
今回計測したベンチマークで最も重いタイトルが、「モンスターハンターワイルズ」でしたが、十分な冷却ができています。
また、他タイトルでも、CPU温度が90度を超える様な異常な高温とならず、安定した冷却ができています。
現時点では、Liquid Freezer III 360はCPUを安定して冷却ができるCPUクーラーだと言えます。
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まとめ
Liquid Freezer III 360は、CPUを確実に冷却してくれます。
Ryzenの中で発熱量のあるRyzen9 9950Xを冷却しており、信頼できます。当然、空冷でも冷却できるRyzen9 9900Xに対しても、しっかりと冷却しています。
Liquid Freezer III 360は、見た目が気に入って購入した製品ですが、実際に使ってみると、十分な性能を発揮してくれる簡易水冷クーラーと感じます。
今回紹介していませんが、バリエーションも豊富で、サイズが360mm以外に、240mm、280mm、420mmと様々です。色も白やRGBのライトがあります。
ただし、水冷ヘッドの2つのねじ止めに苦労する人がいそうな硬さで、少し癖がある様に感じます。
そのため、Liquid Freezer III 360は、少し癖のある水冷ヘッドが許容できる人に導入をお勧めできる簡易水冷です。
本記事が、自作PC等で簡易水冷を導入したい方の参考となれば幸いです。
以上です。