パソコンを長年使っていると、データがどんどん溜まっていきます。
データの種類は多種多様で、写真や動画、記録簿等、様々です。
これらのデータは自分にとって大切なデータとなるため、捨てる事もできず、気づいたらパソコンの容量がいっぱい何てことも多々あります。
そこで採用するのが、パソコンの外部にデータを保管する事です。
家庭でデータを安全に長期間保存するとなると、「保存先の故障時データはどうなるか?」、「データが外部に漏れないか?」等、心配する事も多いと思います。
今回は、家庭でデータを保管する方法として何が最適な記憶媒体か紹介します。
データを安全に保管する方法について、検討している方の参考となりますと幸いです。
家庭で安全にデータを保管するとはどういうことか?
家庭で扱うデータを安全に保管できている状態はどういう状態か考えた時、以下の様な要求が出ます。
- 年々積もるデータが保管できる(長期保管可能)
- 保存データが消失しない(データ消失リスクの低減)
- データの流出がない(他人にデータが知られない事)
- 費用を抑えてデータを保管する(自分で維持できる費用での運用)
自分のできる範囲の費用でデータの維持ができ、データを他者に知られず長期的にデータの消失しない事が前提となります。
データ保管媒体の方法紹介
データの保管媒体は様々あります。
自身の目的に合っていて、導入しやすいものをご検討いただけますと幸いです。
HDDで保存する方法
一番聞きなじみのあるところで、「外付けHDD」が代表的なものです。
データの書き込み方式は、磁気ディスクを回転させ、ディスクにデータの書き込む方法です。
SSDに比べて容量が大きくなっても、比較的に価格を抑えられるため、動画データ等の大容量データの保管に対して、おすすめです。
一方、書き込み速度がSSDよりも遅いことや、衝撃に弱く持ち運びを頻繁に行う際には、壊れやすい事がデメリットとなります。
企業によって、「コストパフォーマンスに優れるタイプ」/「耐久性に優れるタイプ」等種類がありますので、用途に合わせて選択することができます。
SSDで保存する方法
近年、HDDから置き換わっており、パソコンのストレージに採用されています。
データの書き込み方式は、内部のフラッシュメモリに保存しています。
HDDに比べ、書き込み、読み込み速度が速く、動作音もないため、静かです。
コンパクトサイズであり、設置時に場所を取らない事も良い点として挙げられます。
一方で、HDDと同様の大容量を準備すると、導入コストが大きいです。
また、SSDには書き込み制限があり、上限を迎えると利用できません。ただし、近年は書き込み回数の上限が伸びていますので、あまり気にしなくても良い状態にあります。
費用が確保でき、速度を求める場合に導入をおすすめします。
光ディスク(DVD-R等)に保存する方法
光ディスクへデータを保管する方法となります。
導入が簡単で費用も他の方法と比較するとかからない方法です。また、ディスクの耐久性が高く、長期保存に適しています。
ただし、近年パソコンに付属していないディスクドライバが必要な事や、読み込みに時間がかかる事が難点として挙げられます。
保管するデータの量が増えてくると、物理的なディスクの量が増える難点があり、管理が大変です。
管理するディスクの量を決めておき、長期保存したい大切なデータを光ディスクに残しておき、長期保管の必要のないデータは別のデータ保管方法を採用し、無理のない運用をおすすめします。
USBメモリに保管する方法
USBメモリに対して、データを保存している方がいらっしゃると思います。
私が学生の頃は、USBメモリでデータの受け渡しをしたり、重要なデータを保管したりしていました。
内部のフラッシュメモリにデータを保管するものです。価格もお手頃で入手しやすいものです。
SSDの時にも説明をしましたが、フラッシュメモリを用いたデータの保存には、書き込み制限があります。
そのため、USBメモリについても、この書き込み制限に達した時、データの書き込みができなくなります。
持ち運びの機会が多い事やパソコンへの接続と取り外しの機会が多い事から、物理的な故障機会も増えるため、短期的なデータ持ち運びとして活用する分には良いですが、長期的なデータ保管としてはお勧めしません。
LTOテープに保管
聞き馴染みのない単語だと思いますが、データ保存をするための磁気テープです。
テープ本体は比較的に安く、SSD、HDDと比較しても、長寿命です。容量についても、テラ単位で容量があり、大容量データの保管が可能です。
一方で、LTOドライブの価格が新品で購入する際に非常に高く、新品で入手する場合、50万円、100万円等程度(2023/3時点)かかります。
また、接続時にマザーボードに直接接続する必要もありますので、ある程度の知識が必要となります。
ハードルが高いですが、知識があり、中古等でドライブを安く入手でき、運用コストを解決できるのであれば、導入をお勧めします。
クラウドを利用した保管
近年、急速に普及しているデータ保管手法となります。
クラウドサービスを展開している企業との契約を行い、利用します。
有名な企業では、Appleや、Microsoft、Google等様々な企業がサービスを展開しています。
保存スペースが自宅ではなく、外部の企業が運営しているサーバーとなり、企業はデータが消失しない様、様々な技術を利用し、サービスを展開しています。そのため、一度預けたデータサービスが続く限り、消えないと考えてよいです。
ただし、企業が対象のサービス提供をやめた場合、データが消失しますので、信頼できる企業選びがポイントとなります。
また、クラウドサービスは、無料で利用できる容量が決まっている事が多く、無料の利用分を超えると有料になります。
外部にデータを転送するため、ネットワークにつながっていない端末から、クラウドサービスの利用できません。
大容量のデータを保存する場合、無料利用分を超える事が多いため、費用を抑えたい場合、クラウドサービスの利用はお勧めしません。
家庭のデータ保管として最適な媒体はHDD
ここまで、データの保管方法について紹介をしました。
それぞれ一長一短であり、皆さんの技術力や、どれだけ費用をかけられるかにかかっています。
人それぞれですが、家庭で利用する記憶媒体として最適なものはHDDです。冒頭に記載した安全なデータ保管の条件を簡単に満たせます。
SSDよりも価格を抑えており、大容量のデータ領域が確保できます。HDD交換も、費用を抑え導入しやすいです。
また、HDDであれば、データ保管の容量の大きなものを選択した場合、長期利用でデータ保存領域が可能です。2024年6月現在では、24TBの大容量HDDが販売されており、入手ができます。家庭利用で24TBはおおよそ使いきれません。
一方で、データの流出、故障によるデータ紛失への対策は、HDD単体で対応ができないため、工夫が必要です。
HDD故障に対する対策
ハードディスクは衝撃に弱いことから、外付けHDD2枚を用いたデータの保管をお勧めします。
同時に2枚の外付けHDDが同時に故障する確率は低く、片方の外付けHDDが故障した際には、別の外付けHDDがデータを守ります。
故障した外付けHDDを取り換える事で、再度HDD2枚の運用を行えば、データは消える事なく、故障によるデータ紛失を防げます。
RAIDを組む方法もある
RAIDを組みHDDの故障に備える方法もあります。
RAIDを組むことで、複数のHDDに同時にデータ保管を行う事が可能となります。(※外付けHDDをRAID化した方法についついては、「RAID1構成の環境をmacOSの外部HDDとして構築した」をご参照ください。)
ただし、RAIDを組んだ場合、筐体故障において、筐体の交換等が発生します。
そのため、外付けHDD2枚で別々で管理する事をおすすめします。
保存したデータが外部に漏れないセキュリティ対策
HDDを暗号化しているものを導入する事や、家や部屋の外にHDDを持ち運ばない事がおすすめです。
家での利用を前提に置くことで、物理的な紛失等でデータが家の外に漏れる事を防げます。
USB接続の外付けHDDであれば、パソコンのウイルス感染を除けば、自分が外部にデータを流さない限り、自分のわかる範囲でデータの管理ができるため、安全です。
また、家族にデータ内容を知られたくない場合は、ハードでディスク接続時にパスワードを求める設定にしておくことで、データの保護ができます。
外出時にHDDを持ち出す場合、データの暗号化やパスワードを設定する事で紛失にデータ漏洩のリスク低減ができます。(※外付けHDDによって、設定できるものとできないものがありますので、ご注意ください。)
パソコンへの接続は、必要な時だけにする事で、不用意な操作でデータを漏洩させる事を防ぐのも1つの手です。
まとめ
家庭で安全にデータを保存しておく方法として、2023年時点で実施できる最善の方法を考えました。
費用や、容量の大きさから今回はHDDによる保管をお勧めしました。
また、HDDを冗長化する事でデータの保管方法に工夫をする必要がありますが、比較的費用を抑え、導入ができると考えます。
自身の技術力やかけられる費用の範囲で、実現できるデータの保存方法をご検討いただけますと幸いです。
その際に、本記事が参考となりますと幸いです。
以上です。